【びぃどろ講座】とろみって、まずい!

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最近、どんどん世間から認知されてきた「とろみ剤」。ドラッグストアへ行けばとろみ剤が並んでいますし、とろみを自動でつけることができる自動販売機も出てきました。

そういえば、とろみ剤って、なんでしょう?と、いうわけで、今日はとろみ剤について。

とろみ剤とは?

「とろみ剤」とは主に水分に混ぜることによって、その水分にとろみをつけることができる粉末のことを言います。大きな特徴は、温度に関係なくとろみがつけられるため、片栗粉のように加熱なども必要なく、簡便にとろみつけができることです。

なんでとろみをつけるの?

加齢や病気・障害などにより、飲み込む時の「ゴックン」が素早く出にくくなります。そうなると、サラサラと流れ落ちる水分でむせるようになってしまうんですね。ですから、少しゆっくりと喉を通過して、自分の「ゴックン」のタイミングにあった速度で流れるように調整するために使うのです。

種類

とろみ剤はいくつかの種類があります

【デンプン系】
・粘度がつきはじめるのが早い
・食品によりとろみ具合に変化が起きやすい
・匂い・味が劣る
・とろみをつけるのに使用量が多い
・ダマになりやすい

【グアガム系】
・温度の影響を受ける
・少量で粘度がつき経済的
・使用量が多くなるとベタつく
・時間が経つとベタつく
・ダマになりやすい

【キサンタンガム系】
・透明感がある
・ベタつかずぷるっと仕上がる
・味、においの変化がない
・温度によりとろみのつく速度が若干変化
・時間が経っても安定している
・少量で十分とろみがつく
・ダマができにくい

買うならどれ?

絶対に「キサンタンガム系」をお勧めします。お店で買うとこれは少し高額なのですが、使用量がこれは少なくて済むので、最終的にはコストパフォーマンスはそんなに変わらないと思います(実証はしていないですが・・・)

何よりダマができにくいので安全です

本当なら「このメーカーがお勧め」というのもありますが、ここでは流石にかけません(^_^;)

とろみ剤の使い方

とろみ剤の使い方は以前にも記事にしましたが、簡単にまとめると

  1. 袋に書いてある容量を目安に、水分にとろみ剤を入れる
  2. 入れたらすぐに混ぜる
  3. 30秒以上混ぜ続ける
  4. 混ぜ終わったら2分放置(粉がふやけてとろみが安定)
  5. 飲みましょう

この「混ぜる時間」「放置する時間」は非常に重要です

これができると、本当に安定したとろみをつけることができます。

とろみって・・・まずい!

とろみのお茶って、美味しくないと言われる方もいらっしゃいます。少量ならまだしも、しっかりとろみをつける必要がある方は、確かに美味しくないですね。

私もとろみの飲み物は、仕事で何度も飲んでいますが、あえて飲みたいと思うほど美味しいものではないな、できれば普通で飲みたいな、と思うものではあります。でも必要だから使うものですから、然るべき量を使わないといけません。

嚥下障害がやや重く、とろみはしっかり目につけたほうがいいな、という方の場合は「とろみ剤」より「ゲル化剤」のほうが美味しくなります。いわゆるゼリーのようにするんです。そうすると飲んだ時のあのベタつき感はなくなり、飲むゼリーといった感じにぷるっと仕上がります。

この「ゲル化剤」については、使い方、商品の選び方、購入方法等が家庭だとちょっとコツが必要です。今回はまた長くなりそうなので、別記事に♪

おまけ…あえてとろみ剤を使いたいもの

ちなみに、全ての飲み物がとろみ剤を使用すると美味しくなくなるか、と言うとそうでもありません。これまでに色々と試したのですが、これは「敢えて、とろみをつけたい!」と思えるほど美味しくなった飲み物がありました!

牛乳専用とろみ剤+牛乳

これは、牛乳とは違う風合いになり、とても美味しかったです♪おすすめします(^∇^)

とろみつきの飲み物も、敢えて飲みたい♪と思えるようになると、世界が広がりますね♪

【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。

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