【びぃどろ講座】コミュニケーションは挨拶から
コミュニケーションは挨拶から
皆さんは1日何回挨拶をしますか?
朝起きて「おはよう」
食卓を囲んで「いただきます」
食べ終わったら「ごちそうさま」
学校や仕事へ向かうときに「いってきます」
お昼に出会う方へは「こんにちは」
家に帰れば「ただいま」
そして1日の終わりに「おやすみなさい」
ご家族と、友人と、地域の方と。挨拶の回数を数えると、限りないものですね。また挨拶の種類も数限りなくありますね。
さて、この挨拶。みなさんは、正しくお返事できていますか?
「いただきます」を言おう
先日通所施設への指導に入りました。昼食の評価です。丁度その日は、スケジュールの関係もありスタッフの方々もバタバタとしていたため、食事開始前の挨拶があやふやになりました。利用者さんもそれぞれのタイミングで食事が開始となっていました。
私の指導の目的に「食環境指導」も含まれているため、「食前の挨拶はかならずしましょう」とお声掛けをしました。
食事前の挨拶はとても大切だと考えているからです。
どんな点が大切か、理由は以下の2つです。
①活動のメリハリをつける
施設などのでの活動に限らず、人は1日を通していろいろな活動をしています。
私たちであれば、これらの活動の延長に食事が含まれていても問題はありませんが、発達に悩みを抱えるお子さんの場合、その活動と活動の切れ目を明確にしないと、切り替えができないことがあります。区切りを明確にする意味でも、挨拶は重要です。
②挨拶はコミュニケーションのスタート
ことばの役割りは、他者と気持ちを伝えあうことにあります。話し手の伝える能力が不充分だと伝わらないですし、聞き手の受け取り能力が不十分でも成立しません。双方にコミュニケーション能力があって成立する物なのです。挨拶は短いことばですが、この往復が小さい単位でのコミュニケーションであることは間違いなく、そこを大切におこなうことで、コミュニケーションの広がりとしてつながっていくのです。
こういった理由からも、挨拶は一方的にするものではなく、挨拶された側は必ず『返事』を返す必要もあるのです。
「ごちそうさま」の後は?
前述の施設への指導のときは、ちょうど食事中だったため、私は以下のように話しました
挨拶はコミュニケーションの基礎なので、必ずしましょう。そして言われたら、お返事もしてください。「いただきます」と言われたら「召し上がれ」。「ごちそうさま」と言われたら「お粗末様でした」ですよね?
するとそこにいた皆さん「ん?(。´・ω・)」という表情・・・え?
「お粗末様って、そういえば言わないですね~」
「よく食べました、とかが多いかなぁ」
「ごちそうさまに対する挨拶って、あまり考えなかったなぁ」
などなど・・・(;^ω^)
まぁ、正確なことばに注意する必要はないかもしれませんが、でも、この挨拶にはこう返事をするっていうものがあって、そのやりとりはしてほしいのです。
ちなみに私の生まれ育った家でも「お粗末様」といいう表現はあまりなかったように思います。たまたま親戚の家が「お粗末様でした」と言う家だったので、記憶に残っている・・・という部分が大きいかなぁ・・・?なんて思います
挨拶を大切に
いずれにしても挨拶は基本。
当たり前ですが、大事にしてほしいと思っています。
そして、発達に不安を抱えるお子さんの場合、周囲は”言わせる”ことに注意が向いてしまい、”返事をする”という意識が薄まることがあります。
挨拶は往復があって成り立ちます。
挨拶したら返してもらえる。
挨拶されたら返す。
そんな当たり前なコミュニケーションの第一歩を、大切にしてほしいものです。
【長岡菜都子(だんらんコーディネーター)】
リハビリテーション専門職である言語聴覚士の国家資格を所有。病院勤務を経て、訪問看護ステーションに入職。以後12年間で、訪問リハビリテーションを学ぶ。対象は乳幼児から高齢者まで幅広く、病気や障害を抱えながらも、にいかにして家族とともに充実した温かい生活を送れるかにこだわり、支援している。
現在は病気や障害を抱える当事者に対し、『個別』ではなく、家庭や関係施設へ『戸別』に訪問し、主に「はなすこと」「たべること」に関する、赤ちゃんの育み支援、こどもの学び支援、成人・高齢者の生活支援を行っている。
その他、医療・福祉・介護・教育施設等への外部講師等も行い、「はなすこと」「たべること」のバリアフリーを目指し活動中。
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